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国際青少年連合IYF のマインド教育著書 「私を引いて行くあなたは誰か」2章ー4

国際青少年連合IYF のマインド教育著書 「私を引いて行くあなたは誰か」2章ー4


国際青少年連合IYF のマインド教育著書

「私を引いて行くあなたは誰か」2章ー4

 

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「お父さんがお金ないっていうから、その時は我慢してたけど、今はお金があるでしょ?お金があるのに、なんで貧乏なふりをしなきゃならないわけ?ナイキの運動靴買ってよ。」

 

欲 子どもの時から我慢する訓練をしてきたか?  


人の欲はきりがありませんが、能力の伸びには限界があるため、自分の欲が能力を越えると、問題が起こります。慢性的な欲求不満は、人生で過ちを犯す原因となり、周りの人を不幸にします。ですから、子どもの時から我慢をする訓練が必要です。
  


生活が大変だった時は我慢したけど  
今はお金あるでしょう?


私の知り合いのある人は、軍人としての仕事を辞めた後、住む所が見つからず、友達の工場の空き部屋を借りて、その一間で家族と一緒に数年生活をしました。ところが、その友達に事情ができ、その部屋さえも出なければならなくなりました。行き場がありませんでした。やっとの思いで部屋を一つ見つけ、海辺にある野積み場で警備員の仕事をして生計を立てていましたが、一か月の給料は100万ウォンで、そのお金で家族が生活し3人の子を育てるのはギリギリでした。

ある日、息子が父親に運動靴を買ってほしいといいました。
「お父さん、新しい運動靴買って。」
「そうか。今月はもうお金を全部使ってしまったから、次の給料日までちょっと我慢してくれないか。」
「でも、底に穴があいて、水が入ってくるよ。」
「給料もらったら必ず運動靴買ってやるから、もう少し我慢してくれ。悪いな。」

息子も家庭の状況を知っているので、それ以上駄々をこねたりはしません。給料日になりました。父は息子を連れて靴屋に行きました。高いブランドものは1足10万ウォンもしますが、そういうものは買えないので、2万5千ウォンの普通の運動靴を買ってあげました。

息子が父の靴を見ると、かかとの部分がかなりすり減っていました。
「お父さんも靴買った方がいいみたいだよ。」
「父さんは、現場に行って長靴に履きかえるから、この靴で問題ないよ。」
「でも、こんなにすり減って、穴があきそうだよ。」
「今度買えばいい。今月はお前のを買ったから、父さん気分がいいな。」

息子は父の気持ちに感謝しました。父と子の心がより近くなりました。
「お前は、勉強をしっかりやって、将来立派な人になりなさい。父さんみたいに生きないでお金もたくさん稼ぎなさい。」
「わかったよ。でも、僕はお父さんが好きだよ。」

時が経ち、ある日父親は街に用事があって出かけ、偶然、以前軍人として働いていたときの上司に会いました。
「おい、久しぶりじゃないか。元気でやってるか。」
「はい、おかげさまで。キム隊長もお変わりありませんか?」
「いやぁ、本当に久しぶりだ。元気そうでよかった。どこかへ行く途中なのか?」

「街に用事があって来ました。」
「それじゃ、お茶でも一杯飲まないか。」
二人はお茶を飲みながら話をしました。
「最近、どんな仕事をしてるんだ?」
「いろいろあたってみたのですが、なかなか良い仕事がなくて、今は野積み場で警備の仕事をしています。」

「警備?君は軍にいた時は、頭もきれて優秀だったじゃないか。」
「いいえ、そんなことありません。」
「あ、ちょっと待てよ。そういえばうちの会社の資材担当の課長が、1か月後に辞めることになっているんだが、うちの会社に来ないか?」
「私にそういう仕事ができるかどうか…。」

「いや、大丈夫だ。俺は長い間、君の仕事ぶりを見てきたからよくわかっている。仕事を覚える2,3か月間は、250万ウォンずつしかやれないが、その後は350万ウォンやるよ。多くはないが、不便なく生活はできる額だろう? 私の名刺を渡しておこう。一緒に働けるといいな。」

夜、家に帰って妻にこのことを話しました。妻は本当に喜びました。数日後、来月から出勤するようにと連絡がありました。初出勤の日、借りたお金で買った新しい靴をはき、スーツを着て出かけました。
「社長、私は一生貧しい暮らしから抜け出せないと思っていたのですが、私のようなものをこのようにご配慮いただき、本当にありがとうございます。このご恩は一生忘れません。」
「顔を上げたまえ。私は君をよく知っている。君はしっかりしているから大丈夫だ。」
「はい、社長にご迷惑をかけないよう、精一杯やらせていただきます。」

野積み場で警備の仕事をしていた時は、1日中ボーっと座っているか本を読んで時間を過ごしましたが、資材課長を任されたので仕事も楽しく忙しくて、1か月がすぐに過ぎました。最初の給料を受け取った日、急に金持ちになった気分でした。

久しぶりにサバの煮付けも食卓に上り、高くて買えなかったスイカも1玉買ってきて家族みんなで食べながら、幸せな時間を過ごしました。数か月後、父の給料が350万ウォンにアップして、経済的にとても余裕ができ、家族はみんな大喜びでした。

ところが、問題が生じ始めました。大変だった時には何も欲しがらなかった子どもたちが、父親の給料が増えるにつれ、欲しいものも増え始めたのです。ある日、子が父にこう言いました。
「お父さん、運動靴 買って。」
「運動靴? この前、買ったばかりじゃないか。」
「うちのクラスで、俺みたいな運動靴をはいている奴は誰もいないよ。みんなナイキとかプーマとかの運動靴はいてる。」
「お父さんがお金ないっていうから、その時は我慢してたけど、今はお金があるでしょ?お金があるのに、なんで貧乏なふりをしなきゃならないわけ?ナイキの運動靴買ってよ。学校に行くときだけそれはいて、普段はこの運動靴はくから。」

お金ができたので子どもの欲もどんどんふくらんでいきました。経済的に苦しかった時には、安くても運動靴を買ってくれたことに感謝していて、高い運動靴をはきたい気持ちを抑えることができましたが、今は状況が変わったのです。

「俺も、友達の誕生パーティーに、プレゼント持って行きたいよ。」
「俺も、友達といっしょにハンバーガー買って食べて遊びたいよ。」
父親はびっくりしました。いくらお金を稼いでも子どもの欲求についていけないからです。父自身も必要なものが増えました。以前は古びた靴をはいても何の問題もありませんでしたが、今は取引先の人に会わなくてはならないので、新しい靴をはき、スーツもちゃんと着なければなりません。妻も買い物に行った時、買うものが変わりました。間違いなく前とは比較にならないくらい給料をたくさんもらっているのですが、足りませんでした。稼ぐお金より欲求が大きくなって、追いつかないのでした。

 もう、以前のように父と子の間に温かい会話が行き来することはなくなりました。息子は自分の頼みを全部聞いてくれない父に対して不満をつのらせ、父とけんかをすることも多くなりました。父親は子を思う気持ちから、だめだとわかりながらもお金を渡し、息子はますますお金を使う楽しみを知り、毎日のようにお金をくれと親にせがむようになりました。親子の関係が徐々にぎくしゃくしていきました。

 

≫「私を引いて行くあなたは誰か」2章-5へ続く